通信制高校ってどれくらいのお金が必要なの?

何らかの理由で高校へ進学しなかった人、または出来なかった人が、高卒認定のために通う学校の一つが、「通信制高校」です。一口に通信制といってもその形態は様々です。自分が何のために通おうとしているのか、目的や目標を明確にすることで、選択すべき学校が見つけやすくなります。

もちろん、入学金などをはじめとしたお金が掛かりますので、一体どのくらい必要になるか見ていきましょう。

『通信制高校から公務員を目指す方法』

費用の安さが魅力的な公立

公立の良い所は何といってもその費用の安さが魅力です。(下記は、平均的な金額となりますので、希望する学校によって違いはあります)

・入学金…500円

・授業料…1~3万円/年(1単位300円程度)

・その他費用…3万円/年全日制と比べるとその差は歴然ですよね。しかしその反面、「完全自力学習」となっているため、途中で挫折してしまったり、卒業までの日数が3年以上かかってしまうこともあるようです。そういった人のためにも通信制高校とは別に「サポート校」というのが存在していますので、併せて利用するのも一つの手だと思います。

サポート体制も充実している私立

公立と比べると掛かる費用が増えますが、その分に見合った制度が設けられています。(こちらも平均的な金額となりますので、希望する学校によって違いはあります)

・入学金…2~5万円

・授業料…18万円/年(1単位6,000円程度)

・その他費用…3万円/年卒業のために必要なレポートをメールやWEBサイトを用いて提出できたり、学習の中で発生した疑問や不安を解消できるようなサポート体制が充実しています。また、スクーリングや試験の日程も多少の融通は利いたりすることがあるため、卒業率も高くなっています。

「サポート校」とは一体何?絶対に必要なのか。

通信制高校に通う多くの人が「サポート校」を利用しています。こちらも先ず、掛かる費用を挙げていきましょう。・入学金…5~20万円・授業料や施設費等…35~80万/年基本的には、私立の全日制とほぼ同等額が必要となります。

また、登校する頻度によっても金額は異なります。

しかし、その名の通り、卒業のために必要なレポートや、認定試験の対策などをサポートしてくれます。

カウンセラーが常駐している学校も多いため、生徒だけでなく親御さんも相談することが可能です。これだけを見ると、サポート校だけで十分では?と思われるかもしれませんが、残念ながら、サポート校だけでは、「高卒認定」は得られません。

学校教育法で「学校」として認められていないからです。つまり、サポート校は、学歴として認められないということです。あくまでも、通信制高校を無事に卒業するための「サポート」校となります。

「サポート校」の魅力や必要性について

サポート校だけでも全日制の高校と変わらないと記述したため、通信制の費用に更に上乗せしてまで…と躊躇される方がいるかもしれませんので、もう少し詳しく解説していきたいと思います。サポート校は、「通信制と同時に入学するコース」「高卒認定の受験を目指すコース」「専攻のみのコース」に分かれることが多いです。

専門学校や学習塾、予備校といった教育関連の学校が運営元となっているため、それぞれの特色や強みを活かした内容となっています。美容関連であれば、専門的な内容を学ぶことができるコースもありますし、有名な難関大学を目指すようなコースもあります。

入学には年齢や県内外の制限がありません。一般的には、書類選考や面接があり、場合によっては筆記試験があることもあるようです。しかし、あくまでも現在の学力を図ることを目的としているため、試験対策をそこまでする必要はありません。

通信制高校に通う人の多くは、何らかの理由で全日制を選ばなかった人だと思います。そういった人へのフォローやサポート体制が充実していることが大きなメリットと言えるでしょう。服装や髪形が比較的自由だったり、少人数制の導入により、生徒一人ひとりに対応する体制が整えられています。

また、登校頻度を選ぶことができるため、通うことへの抵抗が大きい人でも、少しずつ慣らしてくことが可能となります。学習面だけでなく、精神面なども含めてサポートしてくれるため、卒業のために利用を検討してみてはいかがでしょうか。

制度の利用も検討すべき。「高等学校就学支援金」

こちらは、学校を通して国に申請することで得られる支援金制度です。世帯年収によって金額は変わりますので、どの程度支援を受けられるか調べてみましょう。公立であれば学費が無料になったり、私立でも年間12万円の減額を得ることが出来るようです。

一例を見てみましょう。【単位制私立高校の場合】(参考:高等学校等就学支援金(新制度)Q&A)・1単位……4,812円・25単位…120,300円如何でしょうか。利用できるのとそうでないのでは、大きな差になりますよね。

せっかくの制度ですので、利用できるものは賢く利用し、自分の将来に役立てましょう。

目指せ「特待生」!

学校には、指定する大学への進学意欲や学力を有する人、芸術やスポーツなどで活躍する生徒が利用可能な、「特待生制度」というものが在ります。奨学金とは異なり、免除となるため、返済の必要がないことも大きな魅力と言えるでしょう。その道は確かに厳しく、一定の学力や記録の保持の必要等がありますが、利用できれば心強い制度となっています。努力次第で希望も見えてきませんか?

必要に応じて「奨学金制度」の利用も

特待生は難しく、支援金だけでは…という人は、「奨学金」の利用を検討してみることも有りかと思います。奨学金は、「日本学生支援機構」や学校が参加している基金などに審査を依頼し、利用することが出来る制度です。

奨学金のデメリットとしては、返済義務や利子が発生してしまうことです。人によっては30代近くまで掛かってしまい、結婚や子供、家などのお金が掛かる時期と被ってしまい、返済が厳しくなる場合もあります。有難い制度ではありますが、利用する場合にはよく検討する必要があります。

選ぶべきポイントをどこに設定するかは自分次第

すれ違うひとの学歴が目に見える人はいませんよね。高卒認定までの過程は、通信制でも全日制でも、定時制でも関係ありません。卒業できれば、学歴としてちゃんと残すことができます。しかし、せっかく勉強するのであれば、自分の目標や目的にあった学校を選ぶべきだと思います。

もちろん、掛かる費用も選ぶ上で重要な選択肢の一つとなります。自分の将来のためにも、利用可能な制度を上手く活用していきましょう。

参考(通信講座高校:通信制高校ガイド